過つは人の常。・・・『キングスマン2:ゴールデンサークル』

 

キングスマン1(シークレット・サービス)の熱狂から2年あまり、期待と不安の2作目。
個人的には大満足、1作目の完璧な構成には及ばないものの、復活を予告されていたハリー・ハートのポスターに"A Far-fetched Plot(こじつけのプロット)"なんて公式が自虐コピーを付けていたわりには復活の必然性(これについては後で書きます)も良く、エグジーの成長物語という軸もぶれず、ヴィランの問題提起や現代性も良く、全く守りに入らないエログロも(私は)楽しめました。

 

以下はネタバレを含みます。

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| 波子 | 映画感想 | 11:23 | comments(0) | - | -
The Alfee 秋フェスタ 11/4 東京国際フォーラム

 

秋ツアー初参加でした、というか秋は東京のみ。
夏イベがわりとファンタジックで楽しいイメージだったのと、序盤の数曲が爽やかだったのでちょっと油断していたのですが、ずっと聴きたかった「孤独の美学」でテンションがおかしくなり、座りパートのノスタルジックな曲の選曲に感傷的になっているうちに、高見沢さんの魂がこめられたようなメッセージ性の強い本編終盤のセットリストに殴り倒されていました。自分がアルフィーの曲に出会った頃の強烈な記憶と、今の時代にリアルタイムで聴きたい曲というのが重なって、感傷と高揚感でぐちゃぐちゃでした。高見沢さんの「セトリ勘」は本当に冴えているし信頼できます。
その衝撃を引きずったままでアンコール、せっかくの「カンレキーズ・ビートルズ」の記憶があいまいなていたらくで、「クリスティーナ」で飛び跳ねてやっと我に返ってきたという調子でした。

 

以下セトリネタバレしてます。いつものようにAの会さまからセトリ頂いてます。

それから記事のラストに、いつもの腐風味小話(中右)へのリンクを載せています。大丈夫!という方のみでお願いします。

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| 波子 | 音楽 | 12:53 | comments(0) | - | -
ならばどうすれば良かったのか・・・『ハイドリヒを撃て!』

"Resistance has a codename" このコピーかっこいい。

 

第二次大戦中、ナチスドイツに占領されたチェコスロバキアに総督として派遣されたのは、ナチスで三番目の権力を持つといわれ、ユダヤ人に対する「最終解決」を立案したラインハルト・ハイドリヒだった。ハイドリヒの苛烈で巧みな占領のもと、チェコスロバキア国内のレジスタンスは勢いを失っていた。そんななか、ロンドンにあったチェコスロバキアの亡命政府はハイドリヒ暗殺作戦を立案、訓練された落下傘兵をプラハ近郊に送り込み、そのうちの二人、ジョゼフ・ガブチークとヤン・クビシュを暗殺の実行者として指名した。その作戦がAnthropoid作戦で、その顛末を描いたのがこの映画です。

 

事前に同じ作戦を描いたhhHhという小説を読んでいたので、事の顛末はほとんど知っていました。

現代社会のほとんどにおいて、ナチスの思想と行いは絶対悪として捉えられており、そのため「対ナチス」を描く二次大戦作品はほぼ「対ナチス=善」という思想的には比較的安全に描けるものが多いように思います。このAnthropoid作戦におけるガブチークとクビシュも、その悲劇的な結末も含めて、わが身を犠牲にナチスに抵抗した英雄、という描き方が容易にできるでしょう。しかしこの作戦は、レジスタンスの英雄物語というひとつの切り口では描ききれない事情を含んでいて映画でもそれが描かれています。

ひとつには、実行者たち一人ひとりがどう考えていたかはともかく、立案者たちはこれが実行者たちの死を前提にした「特攻作戦」と考えていたのではないかと思われることです。もうひとつは、作戦が成功しハイドリヒが死ねば、確実に苛烈な報復が予想され、実際にそうなったということです。

 

映画を観ての印象は観た人により様々だと思いますが、私個人的には、彼らをレジスタンスの英雄として描きながらも、彼らの人間らしい揺れや葛藤も描き、また必ずしも順調でも一枚岩でもなかった作戦の道のりや、その帰結の無残さ(作戦への協力者も無関係な市民も報復として虐殺された)も余さず描くことで、大国にはさまれた小国の戦争の悲劇や矛盾を丁寧に表現した映画だと思いました。

私が映画を観終わって最初に感じたことは「ならばどうすれば良かったのか」ということでした。報復のほうがハイドリヒが生き続けた場合の占領より酷かっただろうか。後世の私たちは連合軍の勝利を知っているけれど、それを信じてひたすらに耐えるほうが賢い選択だったのだろうか。Anthropoid作戦は本当に、チェコから離れたところにいる英国政府とチェコ亡命政府の「捨て駒作戦」だったのだろうか。

この答えの出ないやりきれなさは、同じキリアン主演の「麦の穂を揺らす風」にも似ています。キリアンは今回も「物静かなくせに梃子でも動かぬ絶望した主戦派」を演じています。

 

以下、映画の結末までネタバレしています。

 

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| 波子 | 映画感想 | 14:06 | comments(0) | - | -
議場のボーイズ・ライフ・・・『帝一の國』

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映画版「帝一の國」を観てきました。菅田くんが主演で、戦隊やライダーで見慣れた若手俳優たちがワイワイ登場する男子校学園もの、さらにキャストたちのわちゃわちゃ具合が大変に可愛らしい、ということで気楽な気分で観に行きました。しかしこれが!めちゃくちゃに面白かったのです。

 

いわゆる「萌え」まで意識された学園ものでありながら(当然ホイホイされました)、菅田くんが語っていたように大真面目な政治劇でもありコメディでもあり。私が受けた印象は「アナザーカントリーのパブリックスクールの世界を少年漫画が描いたら」でした。
極端に振り切れた設定とキャラクターでありながら、政治のリアルな汚さと青臭い高揚感の両方を描いていて、さらに「閉じられた男子の世界に生きる」という普遍的なことまで考えさせられました。

 

原作がジャンプ漫画ということで、試しに読み始めたらこれがまた止まらない面白さ。漫画版の方は、終盤でカタストロフィックに話が大きくなるという少年漫画あるあるが少し感じられ、映画版の方がまとまりは良いかな?と思いもしましたが、キャラクターの背景や個性、最後まで読めない展開で引き込まれ続けました。

 

原作と映画では少し違っていて、というか原作の前半部分をメインにして後半のクライマックスを少し改変してつなげている感じなのですが、変えてあるところ、省略してあるところも含めてすごく上手い映画化だと思いました(映画化ならつい入れたくなると予想される男女の三角関係の部分と、漫画のカタストロフィックな展開の部分をあえて切り捨てたのは大英断かと)。

 

以下ネタバレあり、原作と映画とあちこちに飛ぶ感想と考察、腐話もありますのでご注意ください。

 

 

 

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| 波子 | 映画感想 | 13:20 | comments(0) | - | -
人生には追い風が必要だ・・・『わたしは、ダニエル・ブレイク』

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ことあるごとに書いていますが、私はケン・ローチ監督が大好きです。好きな映画監督を一人と聞かれたら答えるくらい好きです。監督の明確なメッセージはもちろんですが、それを伝える「物語」とキャラクターの的確さがたまらないのです。彼が描く物語はフィクションですが、まるで現実のような静かな非情さと、胸が痛くなるような温かさのリアリティが、感情をゆさぶると同時に社会に対する新しい視線を教えてくれる気がしています。

 

社会福祉、なかでも公的扶助というものがそれを必要としている人々に届くためには、もちろんシステムや財源の確保といった政治のハード面の整備が第一ですが、それだけではなく、人間同士、市民同士のSolidarity(連帯、共感・・・この言葉は『パレードへようこそ』で使い方を知ったものです)もまた必要なのだということを感じました。不正受給をする少数の悪人を吊るし上げる以上に(それが健全な財源の確保のために必要なことは理解しますが)、必要なのに受給できていないひとがいないかどうかに目を配る必要があります。

 

それから、ケンローチ監督はいわゆる有名な役者さんをほとんど使わない(なかで、彼に選ばれた唯一に近い「名の知れた映画俳優」が「麦の穂〜」のキリアンなことはどちらもの大ファンである私の喜びです)のですが、今作の主演ダニエル・ブレイクおじさん役のデイヴ・ジョーンズさん(映画は初出演だが、舞台では有名なコメディアンとのこと)の「一瞬で彼に好感を持ってしまう」顔立ちと表情には本当に持っていかれました。そして街の人や役所の人々、ボランティアの人々など、いわゆる「モブ」の人たちの演技が抜群にうまい。同じ役所の人たちでも、冷たい人、ちょっと同情的な人、高圧的な官僚など、温度差が鮮明で引き込まれます。

 

以下ネタバレしてます。
 

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| 波子 | 映画感想 | 12:30 | comments(0) | - | -
画像データと数字の戦争・・・『アイ・インザ・スカイ』

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現代におけるリアルタイムの「戦争」(特に9.11以降の「対テロ戦争」)の姿を、概念を表現する映画というのがあって、「ハートロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティー」「アメリカン・スナイパー」なんかがそうですが、この作品も「2016年時点での対テロ戦争スタンダード」に当たるのではないかと思いました。これはフィクションで、ドラマチックかつ観客が物語に入りやすいように演出された映画ですが、戦争の不条理という不変の真理と、現代の戦争のエッセンスを詰め込んで見せているように思いました。「シンゴジラ」の「現実」部分(政治判断と軍事判断のドラマ!)、「この世界の片隅に」が描く戦争の隣の生活、ルカレ先生風味の現地工作員の良さ。

 

ものすごい緊張感と無力感、世界の不条理に打ちのめされるけれど、覚悟していたような胸糞悪さは少なかったです。「安全な場所から行われる、ドローンによる戦争の真実」というコピーから、「安全な場所からクズい戦争ハイや攻撃性を発揮する人たち」を見せられるのかなと思っていましたが、シンゴジラ同様、立場による偏りはあれどベストを尽くそうと努力している人がほとんどでした。だからと言って、「戦争というものの本質」がもたらす嘔吐感は損なわれていません。

 

以下ネタバレしてます。
 

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| 波子 | 映画感想 | 12:26 | comments(0) | - | -
「この世にただ二人きり」の瞬間を。・・・『聖の青春』

 

オリンピックにワールドカップ、F1などスポーツはもちろんのこと、囲碁将棋にチェス、さらには数学まで、あらゆるジャンルに頂点を決める大会があり、プレイヤーたちはトップを目指してそれぞれのスタイルで人生を削って燃やす。なぜトップを目指すのか?の問いにはお金、名誉、自己実現や成長、勝つことこそがアイデンティティ形成だったり、この世界に自分の存在を刻みたいなど、たくさんの答えがあるだろうけれど、めちゃくちゃロマンチックな回答として「そのジャンルのトップにしか見えない世界を誰かと共有する喜び」というのはないだろうか。チームメイト、師、あるいはライバル。

 

この映画の話を聞いたとき、もしかしたら日本版の「RUSH」なのではないかと思ったのですが、まさにそんな感じでした。正反対というか、共通点の少ない二人の男がライバルとしてしのぎを削り、深いところで理解し合う。ハンデを抱えた相手との対戦。片方の夭折。映画化という観点でも、あまりデフォルメせずあくまでリアルな本人たちに外見から仕草から近づけるアプローチで。

 

RUSHのF1もスポーツとしてのF1の面白さまであまり理解しないままに観てドはまりしたのですが、この映画も、将棋は「駒の動かし方のルールを知っている」レベルで、勝負の面白さも大会や段位などのレギュレーションもよく存じ上げないままで観に行ってしまいました。でも競技人口全体の空気というか、雰囲気を感じられてその点でもとても興味深かったです。テレビでやるような、スーツや和服を着て広い部屋に有名な棋士が二人並んで解説者がいて・・・というのだけではなくて、そこを目指している人たちの、部屋にぎっちり将棋盤が並んで所狭しとあらゆる世代の地味なおっさん(この点に関してはまた後で)が額がつくほどの距離で対局し、持ち時間計測用のタイマーのスイッチをカシャカシャ押している風景。これこそが将棋界のアツさなんだな、と知りました。
あらゆる世代の地味なおっさん、と書きましたが、これがまた面白いところで、中学生くらいからお爺さんまで、さらに学生風からチンピラ風から教師風まで、「将棋好き」でなければ絶対に接点がないであろう世代と社会の立ち位置のおっさんたちが将棋という一点でつながって勝負したり激論したりしてるわけです。もちろん将棋には女流という世界もありますが、この映画で垣間見る限り、圧倒的なおっさん率の世界です(中学生でもおっさんです)。

 

以下ネタばれしてます。

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| 波子 | 映画感想 | 12:55 | comments(0) | - | -
The Alfee 秋フェス 11/10 市川市文化会館

国際フォーラムに続いて秋ツアー2本目参加してきました。実は今回、自己ベスト(?)となる近さの一桁列め、しかもほぼ真ん中の席をいただいてしまいまして、初めての距離感で楽しんでまいりました。ギターの様子から手もと足元に表情まで、いつもより視覚情報が多すぎて脳内の回線がずっとパンクしてるみたいでした。ただぜいたくな悩みなんですが近いぶん視野が狭くなるので、ついつい推しばかり見てしまう結果に。そんなわけで今回は二言目には坂崎さんかっこいい・・・ばかり言ってる感じです(いつもか?)。あとはMCの時とか表情がうかがい知れるので、ああほんとに楽しそうだし仲良しなんだな・・・と実感できて幸せでした。

 

以下セトリネタバレしてます。セトリはAの会様からいただいております。
それから、また最後にほんとに短い腐れ風味小話へのリンクがあります。大丈夫な方のみお願いいたします!

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| 波子 | 音楽 | 13:11 | comments(0) | - | -
The Alfee 秋フェス 東京国際フォーラム 10/29 2016

 

夏イベぶり3ヶ月ぶりくらいのアルフィーさんでした!1ツアーそんなに通えるほうではないのですが、ネタばれシャットアウト期間もあるのでかなり久しぶりの気持ちで。春ツアーがアルバムツアーでしたが、秋はほぼ通常営業かな?という感じに(新譜からの曲ももちろんたくさんやってましたが、これからもライブ定番曲として残りそうかなというのと、カンレキーズもので)。今回は懐かしめというか、私の原体験アルフィー時期(80年代終わり)の曲もたくさん入ってましたが、そういうのほど演奏がタイトになっているのがひしひしとわかって鳥肌でした。あと1アンコールのカンレキーズ大騒ぎのあとにやってくる2アンコールのガチ企画が、ミュージシャンとして凄いのと、素が垣間見れて大変に萌なので、大変なのはわかるけど最後まで続けてー!と思うばかりです。

 

以下セトリネタバレしてます。セトリはAの会様からいただいています。
 

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| 波子 | 音楽 | 02:24 | comments(0) | - | -
シンゴジ矢赤R18小説2【PASS=赤坂の出身大学4文字】
| 波子 | スラッシュ読み書き | 20:17 | comments(0) | - | -